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最新の科学的知見

最新の科学的知見

ガラパゴス諸島に生息するダーウィンフィンチに新種(Certhidea fusca:グレイムシクイフィンチ)が追加

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時、ガラパゴス諸島に生息する13種(ココス島のココスフィンチを入れると14種)であった。

 近年、従来のムシクインフィンチ(Certhidea olivacea)の一部が別種であるとされ、それぞれの体色から、従来のCerthidea olivaceaがグリーンムシクイフィンチ、新種Certhidea fuscaがグレイムシクイフィンチとされた(チャールズ・ダーウィン研究所が作成している生物種リスト(Galapagos Species Checklist)上の別種としての扱いは2012年8月から(この版の直前の版は2012年5月発行))。

 これにより、ガラパゴス諸島に生息するダーウィンフィンチの種数は、13種から14種へ、1種増加した。
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[はじめに]、[2-11]、[3-3]、[3-7]、[4-8]

ガラパゴスゾウガメの分類の変更 ―「亜種」から「種」へ―

 2009年にカメ目の分類に関する国際学会(Chelonian Research Foundation/Turtle Conservancy)により、ガラパゴスゾウガメの分類が従来の「亜種」から「種」に変更された。この変更に伴い、1種としてまとめて「ガラパゴスゾウガメ」としていた呼称が、「ガラパゴスゾウガメ種群」と言われるようになった。

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時はちょうど「亜種」から「種」へ変更されるタイミングであり、従来のまま「亜種」と記載された。

>>下に示す図1および表1参照
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[2-7]、[2-10]、[3-4]、[4-3]

 

ピンタゾウガメの最後の生き残りロンサム・ジョージの死

 2012年6月24日、サンタ・クルス島にあるガラパゴス国立公園内のチャールズ・ダーウィン研究所の飼育施設でロンサム・ジョージが死亡した。ジョージの死により、ピンタゾウガメは絶滅種となった。
>>下に示す図1および表1参照
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[3-4]、[4-3]、[4-4]

 

ガラパゴスゾウガメに新種(Chelonoidis donfaustoi:サンタ・クルス島西部種)が追加

 2015年、これまで1種とされていたサンタ・クルス島のゾウガメ(Chelonoidis porteri)が遺伝子解析の結果から、2種に分類されることが判明した。

 サンタ・クルス島東部の個体群のゾウガメを従来からのChelonoidis porteriとし、西部の個体群のゾウガメを新種としてChelonoidis donfaustoiと命名された。

>>下に示す図1および表1参照
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[2-7]、[3-4]、[4-3]

 

絶滅種フェルナンディナゾウガメの再発見

 2019年2月17日、ガラパゴス・コンサーバンシーの調査チームがフェルナンディナ島を捜索した結果、1頭の雌のフェルナンディナゾウガメ(Chelonoidis phantasticus)を発見した。
 ファルナンディナゾウガメは、1906年に米国科学アカデミーの探検隊によって雄1頭が発見され、剥製として持ち帰られて以降発見例が無く、およそ100年ぶりの再発見となった。
>>下に示す図1および表1参照
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[3-4]、[4-3]

 

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ピンクリクイグアナの推定分岐年代の修正

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時、ピンクリクイグアナのガラパゴスリクイグアナからの種分岐は500万年以上前とされていたが、2015年に論文発表されたより詳細な遺伝子研究の結果から、推定分岐年代は100万年前~200万年前に改められた。
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[3-5]

ガラパゴスアホウドリの繁殖つがいの数の減少

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時、ガラパゴスアホウドリの総個体数は、50,000~70,000で、繁殖つがい数は12,000ほどと推定されていたが、チャールズ・ダーウィン財団のフェイスブック2021年3月26日投稿記事によると、2018年現在の繁殖つがい数は9,600で年々減少している(年6%減)。
 漁業活動における混獲(漁網や釣り針に引っかかり命を落とす)が原因となっている可能性が考えられている。
【2021.8.21 里見】

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[3-11]

ガラパゴス諸島内で見られるフラミンゴの種類にチリーフラミンゴが追加

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時、諸島内に生息するフラミンゴは、ベニイロフラミンゴ(Phoenicopterus ruber)1種であったが、2015年以降、イサベラ島プンタ・コルモラントでチリーフラミンゴ(Phoenicopterus chilensis)が確認されている。

【2021.8.21 里見】 

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[2-6]、[3-3]

ダーウィンフィンチ類のIUCNレッドリストカテゴリーの更新情報

「ガラパゴスのふしぎ」著述当時、マングローブフィンチ(Camarhynchus heliobates)およびダーウィンフィンチ(Camarhynchus pauper)の2種が絶滅危惧IA類(Critically endangered :CR)であったが、2021年現在では、これら2種に加え、オオダーウィンフィンチ(Camarhynchus psittacula)およびキツツキフィンチ(Camarhynchus pallidus)が絶滅危惧Ⅱ類 (Vulnerable:VU)に追加されている。

【2021.8.21 里見】 

※「ガラパゴスのふしぎ」記載箇所:[4-8]