1959年、日本人研究者として初めてガラパゴスに行った故小野幹雄氏は、日本に帰国後は小笠原諸島をフィールドに研究を続け(参考「孤島の生物たち─ガラパゴスと小笠原」小野幹雄著岩波新書)、JAGA設立にも寄与されました。
同じ火山島で海洋島の両諸島には共通点が多く、また保全上の課題や対策も共通する部分があり、小野氏が切り開いた両諸島の関係性を継続する形で、JAGA設立当初より交流が始まりました。
1964年のチャールズ・ダーウィン研究所の落成式に立ち会った伊藤秀三氏(長崎大学名誉教授)は、同研究所をベースにガラパゴスの植物について研究を重ねたのち、研究所が行う保全を日本から継続して支援するための組織を設立するために動き、2005年JAGAが誕生しました。
JAGA設立後の2006年、チャールズ・ダーウィン財団とJAGAは相互協力協定を締結し、お互いの活動を支援し合う約束を交わし、JAGAが日本における同財団の正式窓口であることが明記されました。この協定は2018年に更新され現在に至っています。
2018年、日本とエクアドルの外交関係樹立100周年と、小笠原諸島返還50周年がちょうど重なった年、JAGAと小笠原のNPO「小笠原自然文化研究所」は、未来の両諸島を担う若者たちを対象に、交流機会を作りました。ガラパゴスの中高生5名を日本そして小笠原に招へいし(2018年3月)、小笠原の中高生5名をガラパゴスに派遣しました(2018年8月)。
この交流が切欠となり、2019年11月、JAGAの仲介のもと、小笠原諸島を管轄する東京都は、交流事業を現地で支えたチャールズ・ダーウィン財団と「連携協定」を締結し、それぞれの保全や社会のサステナビリティの向上において、協力することを約束しました。
今後もJAGAでは、この連携協定を軸に、小笠原諸島など日本の島嶼地域とガラパゴスを繋ぐ活動を活発に行っていきます。
東京都とチャールズ・ダーウィン財団の連携協定調印式にて、小池都知事からのビデオメッセージを聞くチャールズ・ダーウィン財団幹部ら
調印式後の記念撮影。日本側からは、在エクアドル日本大使館の首藤大使(左)が、ガラパゴス側からは、ガラパゴス特区政府審議会議長(左から二人目)が立会人となった。