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Appendix 3. 行政機関と研究機関 ガラパゴス保全科学の体制(西原弘)

Appendix 3. 行政機関と研究機関 ガラパゴス保全科学の体制(西原弘)

 1959年以来、ガラパゴスの保全は、行政機関であるガラパゴス国立公園管理局と、研究機関であるチャールズ・ダーウィン研究所が両輪となり、資金・人材などの面で国際的な協力も得て進められてきた。

 1998年のガラパゴス特別法制定後は、大統領府に属し計画調整や入出島管理を担うINGALA(ガラパゴス管理庁)、検疫を担うSICGAL(ガラパゴス検疫検査システム)という組織も重要である。現在、ガラパゴスに関わる政府機関は約60にも達し、2,000人以上がそこで働いている。なお、私たちがガラパゴスに訪れる際、本土の空港で入島管理を受けるのはINGALAカウンター、手荷物検査を受けるのはSICGALカウンターである。

 ガラパゴス諸島への入島に際しては、外国人の場合一人100ドルの入島料を支払うが、その40%は国立公園管理局に、残りも行政機関に配分されている(4-11参照)。

ガラパゴス保全科学の拠点、チャールズ・ダーウィン研究所

 サンタ・クルス島の研究所は1964年に完成した。運営母体であるチャールズ・ダーウィン財団は、エクアドル政府との間で結んだ協定にもとづき、同政府に対して科学的な見地からの助言を行っている。ただし、同政府からの資金面の援助はまったくなく、世界各国からの寄付金や助成金によって運営されている。

研究所のスタッフは、多くの場合、国立公園管理局の職員と共同でモニタリング調査や外来種駆除活動を行う。近年では地域社会との連携・協力にも積極的であり、地元出身のボランティア・スタッフも増えている。また、各国の研究者をビジティング・サイエンティストとして受け入れ、彼らによる研究の実施も支援している。

欧米を中心にFOGOs(Friends of Galapagos Organizations)と呼ばれる、これらの活動を支援する組織があり、日本ガラパゴスの会(JAGA)もその1つである。

サンタ・クルス島プエルト・アヨラのダーウィン研究所本部

手前はネイティブ・ガーデン(西原弘撮影)。

サンタ・クルス島プエルト・アヨラのダーウィン研究所本部

サンタ・クルス島プエルト・アヨラの国立公園管理局本部

プエルト・アヨラの町からダーウィン研究所に向かう途中にある(波形克則撮影)。

サンタ・クルス島プエルト・アヨラの国立公園管理局本部