「コバネウ」とは「小羽根鵜」のこと。その名のおとり、翼が小さく、世界で唯一飛べないウ(鵜)」である。英名も「Flightless Cormorant(飛べない鵜)」。ガラパゴス諸島の固有種で、諸島に天敵がいないため逃げる必要がなかったこと、また海から十分に餌を得ることができたことなどから、飛ばない方向に進化したと考えられている。
最近の遺伝子研究によって、最も近縁とされるミミヒメウとナンベイヒメウとは、約200万年前に分かれたと示された。これは現在の生息地が形成される前であり、かつては、現在の諸島の中央部にある古い島々に生息していたと考えられる。
諸島西部の海域は、クロムウェル海流がガラパゴス海台にぶつかり湧昇流となって海底の栄養塩類を押し上げる。このため多種の海洋生物が生息する。