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2-1. ガラパゴスって、どんなところ?(奥野玉紀)

2-1. ガラパゴスって、どんなところ?(奥野玉紀)

 ガラパゴス諸島は、南米エクアドル共和国の領土である。正式名称は「コロン諸島(Archipiélago de Colón)」。南米大陸の発見者であるクリストファー・コロンブス(西名Cristóbal Colón)にちなんで名付けられた。「ガラパゴ(=Galápago)」はスペイン語で「リクガメ」を意味し、ゾウガメが多数生息していたことから「ガラパゴス諸島(=ゾウガメの島々)」と呼ばれるようになった。エクアドルの主要都市(キトやグアヤキル)からは、飛行機で2時間ほどの距離に位置する。

ガラパゴス諸島の位置

ガラパゴス諸島は、南米大陸西岸から西に約920km~1,200kmの範囲に広がる群島である。諸島より西の赤道上には、1万km以上、陸地がない。

ガラパゴス諸島の位置

100以上もの群島、その陸地と周辺海域

 ガラパゴス諸島は、日本と同じく太平洋上にある群島だ。南米大陸から西に約1,000㎞離れた赤道上に大小さまざまな島々が連なる。面積10㎢以上の主要な13の島と、それより小さい100以上の島や岩礁が、東西約300km、南北約380kmの広範囲に点在している。

ガラパゴス国立公園が2005年に発表した資料によると、陸地の総面積は7995.4㎢。これは沖縄県の面積の約3.5倍にあたる。陸地面積の96.7%は「ガラパゴス国立公園」に指定されており、特異な生態系を保全するため、観光や島民生活に対して厳しい規制を行っている。一方、ガラパゴス周辺海域では、諸島の外側の海岸線を結び、さらにその外側の40海里線に囲まれた海域が「ガラパゴス海洋保護区」に指定されている。こちらも陸地同様、保護・管理の対象となっている。

 国立公園と海洋保護区の管理は、エクアドル政府管轄の「ガラパゴス国立公園管理局(Galapagos National Park Service)」によって行われており、その対象域は14万㎢に達する。

海流の影響による独特の気候

 ガラパゴス諸島は赤道直下にあるため、一年を通じて陽射しが非常に強い。だが、諸島に流れ込む海流の影響を強く受けるため、世界の他の熱帯地域の気候とは異なる点が多い。

 例えば、寒流の影響が強まる6〜11月頃は、降水量が少なく、日中と夜間の温度差が大きい。このため、夜は赤道直下にいることを忘れてしまうほど涼しくなる。一方、寒流が弱まり、北からの暖流の影響を受ける12〜5月頃は、雨(スコールのような一時雨)が多く、気温・水温・湿度、いずれも高くなる。このため植物がよく芽吹いて島を緑で覆い、美しい景観を作り出す。また、この時季は、多くの陸の動物にとって繁殖シーズンとなる。ただし、どの時季に訪れても、見ることができる動植物に大きな差はないので、お目当ての動植物を見逃すことも少ないだろう。

ガラパゴス諸島の地図

ガラパゴス諸島の地図